11/19/2021

Oくん久々の休日。

早起きしようと思っていたのに10時に起きる。本当はもっと早く起きていた息子を付き合わせてしまった。息子よ、10ヶ月おめでとう。

予定よりだいぶ遅くなってしまったが、午後1時半頃に図書館へ向けて家を出る。途中駅前のケンタッキーで和風チキンカツサンドとチキンを買い、その近くのケーキ屋さんでケーキを3つ購入。ケーキは帰りにピックアップしに戻るまで取り置いてもらうことに。

図書館へ到着し、先ずは絵本、次に料理本やエッセイのコーナーを見る。私が図書カードを忘れて行ったのでOくんのカードで借りられる上限の20冊に絞り込んだ。大半が息子に向けての絵本で、Oくんと私はそれぞれ2冊ずつ選んだ。いつももっといっぱい借りては読まないままに返してしまうので、今回この2冊は読み切りたい。

図書館に結局1時間以上の長居をしてしまい、予定が狂い続ける。

図書館を出た後は、神楽坂にある器屋へ向かう。先日店主からOくんに粉引のカップが入荷したと連絡が入り、見に行くのが主な目的。道すがら車中で息子に離乳食をあげる。少し残したがまぁよし。次にミルクを飲ませ頃には眠気が勝って泣き出し、ミルクは諦めて授乳し寝かせることに。

器屋に着いた頃には外はすっかり暗くなっていた。駐車場に車を停めて、足早に店に入る。

店はぼんやりと弱い明かりがついていて、店主がひとり、畳の上で器に囲まれて座っていた。

「こんにちは。粉引のカップを見に来ました。」「そうですよね、早く見た方がいいかと思いまして」

白い粉引の器が3点、目の前の畳の上にぽんぽんぽんと置かれる。

事前に店主から大きいとは聞いていたが、実物を見ると本当に大きなカップだ。ぷっくりと底に向かって丸みを帯びた形が愛らしく、Oくんは手にとって、いいですね、と早速気に入った様子だ。私も手に取ってみる。形も素朴な雰囲気もとても好きだが、私の手には少し大きく、片手で持つには危なっかしい。Oくんは3点を持ち比べて、「これが一番しっくりくるな」とそのうちの1点を自分の近いところに置く。私もそれが一番いいと思う。3点中一番手に馴染むし、軽い。カップの内側底に釉薬の薄い部分があり、表情も面白い。Oくんがその1点に心を決めたところで、店主が奥から同じ作家の徳利を出して目の前に置いた。Oくんと私が前回来た時に気に入り、購入を悩んでいた1点だ。

「あー、やっぱりこれいいなぁ…」とOくん。私も改めてとてもいいと思う。口の小さな美しいフォルムの粉引の徳利。ケーキ屋が閉店するまでにケーキを取りに行かなくてはならない。あまり悩んでいる時間はない。少し時間を置いてから、カップと徳利を指して、「この2つお願いします」、とOくんが言った。

前回購入したお猪口の桐箱と新たに購入した2点を一緒に包んでもらう。袋に入れてテープを止めた店主が突然、「茶香炉ってご存知ですか」と尋ねてくる。チャコウロ…チャは茶、コウは香だよな。チャコウロ…聞いたことがあるような…でもどんなものだったろうか…。「聞いたことはあるんですけれど、わかりません」と答えると、店主が隣のスペースから実物を持って来た。茶葉をのせた藍色の皿の下の部分に、ロウがなくなって銀色のホイルだけが残っている。そうだこれが香炉だ。私も以前一人暮らしをしていた頃持っていた。「作家ものの香炉って全然無いんですよ」と店主が言う。今見せてもらっているそれは、店主が作家に頼み込み、作ってもらったものだという。ここにはないが黄瀬戸のものもあると聞き、そちらはiPad上で画像で見せてもらう。黄瀬戸の方も届いたら教えてもらうことになった。いいものばかり紹介してくるにくい器屋だ。